銀行系消費者金融とは
出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(出資法)に基づく履歴書 の金利で貸し付けるもの(最高年利29.2%、ただし閏年は最高年利29.28%。)と、これ以上の金利で貸し付けるもの(いわゆる闇金融)がある。但し、貸金元本が10万円未満は年利20%、10万円以上100万円未満なら年利18%、100万円以上なら年利15%を上限とする利息制限法は、罰則はないものの強行規定(強行法規)である。強行規定は、公序良俗を具体化したものであり、公の秩序を維持し、取引上の弱者を保護することを目的とすることから、罰則の有無にかかわらずこれを遵守しなければならないとされる。契約について強行規定に反する部分は無効となる。
貸金業者は、貸金業法(第3条)に基づいて、二以上の仕事 の区域内に営業所又は事務所を設置する場合は内閣総理大臣(財務局)の、一の都道府県の区域内の場合は都道府県知事の登録を受けなければならない。無登録で営業している闇金融は貸付けそのものが違法行為として処罰の対象となる。しかし、近年は、合法的な正規の事業所としての実態がないのに都道府県登録を申請することがある。特に東京都に登録しているものもあり、このようなものは「十日で一割」ならぬ「東京都知事(1)第XXXXX号」(=貸金業登録番号)からトイチ業者と呼ばれている[1]。このような業者は、登録後、スポーツ紙などで広告することがある[2]。
1970年代頃は、サラリーマンを対象にした業者が多いとして「サラ金」(サラきん、「サラリーマン金融」の略語)、あるいは市街地(街中)に営業所があることから「街金」(まちきん)と呼ばれていた。しかし、1980年代頃からは、女性(OLや主婦)や自営業者などの契約も多いとして、「消費者金融」の名称がよく使用されるようになった。その背景には、過剰な融資や高金利、過酷な取り立てにより、「サラ金地獄」という言葉がたびたび使われるようになって、「サラ金」のイメージが著しく悪くなったことから、業界が新たな名称として「消費者金融」の使用を押し進めたことがある。なお、「サラ金」の呼称以前に1960年代頃は「団地金融」や「勤人信用貸」(つとめびとしんようがし)という呼び方もあった。 また、高い金利を特徴とする事から「高利貸し」とも呼ばれる。英語圏国家では高利貸し、闇の金融業者は「loan shark」(借金の鮫、サメ金)と呼ばれる。loan sharkの取り立てにはしばしば脅迫、暴力が伴う。 消費者金融は「サラ金」と呼ばれることも多いが、社団法人神奈川県貸金業協会は、2005年10月4日に当時の会長・吉野英樹が『サラ金』と呼ばないことを求める会長声明を出している。尚、日本の法令用語にサラ金や消費者金融などの語は存在しない。
消費者金融が特に成長してきたのは1990年代初頭の、いわゆるバブル経済崩壊以降である。成長の背景には、バブル崩壊によってネットキャッシング に苦しい消費者家庭が増加したこと、自動契約機の導入(1993年以降)、それまで深夜帯に限られていたテレビコマーシャルがゴールデンタイムなど、それ以外の時間帯でも解禁(1995年)されたことなどがあった。これらの追い風を受けて、消費者金融は業界をあげて、それまでの暗い「サラ金」「街金」のイメージの払拭に努めた。その結果、駅前の雑居ビルの狭い店鋪で担当者と向き合って融資を申し込むといった旧来の形だけではなく、郊外の国道沿いに設置された自動契約機へ契約申込をする利用者も増加した。また、「女性専用ダイヤル」と称して、女性スタッフとの電話で振り込むという、実際には傍らに男性がいても「女性対女性」をうたい、女性が安心して融資を受けられると錯覚する環境を作る会社も増加した。この勢いで、大手業者には株式を公開(上場)する会社も現れた。株式公開(上場)することによって、経営者一族が莫大な富を得た例も知られている。 そのような中で2000年前後からは全情連(全国信用情報センター連合会)加盟の情報センター、CIC、全国銀行個人情報センターの個人信用情報機関によるブラック(「ネガティブ」又は「ネガ」とも)情報の交流(CRIN)が開始され、与信の厳格化が図られた。これによって大手6社などでは契約者の属性が向上し経営自体は健全化していったが、スケールメリットのある大手業者とこじんまりと経営可能な小規模業者の間に挟まれた中堅クラスの業者の中には、急激に業績が悪化して倒産、大手業者による買収、または債権譲渡するものも現れた(会社更生法が適用され更生計画が認可されると、更生計画に入っているものを除いた会社更生手続開始以前の債権は効力を失うため、過払金返還請求に大きな影響がある)。本来、信用情報の目的は貸金業者自身の経営の健全性ではなく、過剰貸付を防止し、もって多重債務者の発生を減少させることにある。この点につき、その目的とは裏腹に信用情報が一部の業者で勧誘の材料として用いられているとの指摘があるが、この行為は信用情報の目的外使用であり信用情報交換契約(信用情報機関とその会員たる貸金業者間で交わされている契約)違反である。したがってこの指摘は目的外使用に民事上の責任追及しかなされないことの問題を指摘したものということができる。また、個人情報保護法が適用される信用情報に関しては同法違反となる可能性もある。 なお、この頃「ヤミ金」被害が急増しており、その原因を上記のような信用情報機関のオンラインゲーム による与信の厳格化と中堅業者の淘汰に求める見解もある。他方、消費者金融業界は、原因は2000年の出資法改正による上限金利の40.004%から29.2%への引き下げによる中小零細業者の撤退・倒産にあるとしており、業者の淘汰の原因を信用情報の交流に求めるか法改正に求めるかの点において上記の見解と異なる。また、この2つの見解と異なった視点から、この時期のヤミ金被害急増の原因は不況の長期化による所得の減少、デフレによる金融債務の実質負担の増加、暴対法施行及び不況による暴力団員のサイドビジネスへの進出、携帯電話の普及などにあるとする見解もある。 2003年にヤミ金対策を主目的に貸金業規制法が改正されたと同時に、出資法の上限金利の引き下げが論じられたが実現しなかった。 分母である自殺者全体の増加もあるが、利用者の自殺の増加が指摘されており、返済を続けても、完済が困難である状態は「サラ金地獄」とも呼ばれる。警察庁の統計によると、多重債務などの経済苦が原因とみられる自殺者は2006年に約8000人とされている[3]。また、2005年における大手5社利用者の自殺は判明しているだけで3649件であった[4][5]。「借りた人間が悪い」とする意見もあるが、「大手消費者金融業者の営利広告の影響等により高金利の借入に対する抵抗が減少した」などの指摘や、(連帯)保証人以外の家族等法律上弁済の義務を負わない人間が返済にかかわっている例が多くあるなど「借りた人間が悪い」という決め付けだけでは済まない問題も発生している。 近年、大手の消費者金融会社は、銀行と提携しローン保証業務に乗り出したり、また、メガバンク(持株会社を含む)の資本参加を受けるなどの動きもある一方、前近代的なオーナー経営の業者も多く、取立てにかかわる数々の問題、高金利、押し貸し(貸し込み競争)、「武富士」創業者の元会長が関与した電話盗聴事件などの社会問題が依然として解決されていないと言える。 2006年8月には、消費者金融の大手5社を含む10社が、融資の際に借り手を生命保険(消費者信用団体生命保険)に加入させ、消費者金融を受取人にしていることが明るみに出た。本人が契約自体を知らない場合もあり、保険金は遺族を素通りして消費者金融に支払われる。2005年に大手5社が支払いを受けた件数は延べ3万9880件であり、自殺によるものは判明しているだけで3649件にであった[6]。遺族が債務を負わないメリットもあるが、死亡した債務者が過払い(不当利得の返還を遺族が消費者金融に求められる状態)であっても保険金は消費者金融に全額支払われ、過払いの事実は遺族には一切伝えられない。この保険が存在せず、相続放棄・限定承認をしない場合、遺族が死亡した債務者の債務を任意整理(利息制限法の金利で計算し直した残債務を利息無しで一括・分割返済(3 - 5年))するには、相続人が弁護士・認定司法書士等に委任する。 一般に、消費者金融は利息制限法を超える金利での貸付の場合、みなし弁済の無効を主張されると、訴訟では全額を回収することができないため、訴訟の前に訴訟以外の手段を用いて回収を急ぐことがある。全額の回収を容易、確実にするために、連帯保証人付きのローン・不動産担保ローンでの借り換え、公正証書の作成等の手段を用いる場合もある[7]。過払いが生じている法律上支払義務のない債務者に対して、強引な取立てを行うことも常態である。過払いが生じている場合は訴訟による回収が困難であるが、被告が裁判を欠席、答弁書を提出しない場合、また訴訟以外では支払督促に対して督促異議の申立てをせず放置した場合等、例外がある。 厳しい取り立ては違法な手段(脅迫罪・強要罪・住居侵入罪・不退去罪・業務妨害罪等の刑法上の犯罪が成立することもある)を伴うことも多く、当事者・関係者に多大な苦痛を与える点で問題があるが、専門家(弁護士・認定司法書士等)の介入があった場合は、貸金業の規制等に関する法律第21条6項の規定により貸金業者が債務者に接触することは原則としてできなくなる。 なお、最近では店舗や無人契約機での申し込みは減少し、インターネット経由で申し込みをして審査を一通り終わらせ、最寄の無人契約機でキャッシングカードを受け取りに行くというケースが増加している。 また、最近さかんに宣伝されている「おまとめローン」には次のような問題がある。 まとめる前に任意整理などを行えばできたかもしれない「引きなおしによる債務の減額」ができなくなる。したがって実質的に債務が増えてしまうことがある。 特に過払いの場合は「もともと払う必要のなかった債務」をあらためて背負うことになる。 上記の問題を考慮して、過払い金が返還される可能性について注意を喚起する但し書きをCM、広告などに付している場合がある。
近年の金融庁による指導など 2006年4月:クレジットカード会社の一つである「オーエムシーカード」の子会社であるアルファオーエムシーに対し、金融庁は4月24日から5月18日までの25日間、債権回収をする管理センターの業務停止命令(弁済の受領などを除く)を出した。担当者3人が昨年11月、3日間にわたり合計6回、債務者の妻に電話をかけ、借金の一括返済などを迫ったことなど違法行為が繰り返されていたとして貸金業規制法に違反する過剰な取り立て行為に当たると判断した。 2006年4月14日:「アイフル」に対し、融資や取り立てを巡る違法行為が繰り返されていたとして、全店に対し5月8日から3〜25日間の新たな顧客の勧誘、融資などに関する業務停止命令が金融庁より出された。 2006年7月27日:「アエル」(ローンスターグループ)は関東財務局から、貸金業規正法違反により約250ヶ所ある支店や事務所で2006年8月21日から3〜26日間の全店業務停止命令を受けた。 2006年8月23日:「アコム」に対しおこなわれた金融庁の定例検査の際、朝日新聞により「業務停止命令を前提とした異例の再検査」との報道がなされたが、その後なんら処分は科されていない。 2006年10月20日:「レイク」は、債務者の依頼を見落とし勤務先に督促の電話をかけたとして、金融庁から11月13日から11月17日までの5日間業務停止命令(東京と大阪の電話サービスセンターが対象)を受けた。 2007年4月4日:三和ファイナンスに対し、違法な取り立て行為などを行ったとして、全店舗での業務停止命令処分発動。組織的な違法行為があったと判断され、4月23日から、最長で6月27日までの長期となった。 2008年7月4日:貸金業者が2008年4月21日付けの夕刊紙やスポーツ紙に掲載した広告について、金融庁などが調査を実施、不適切な内容とされた148業者に対して行政対応がされた。→#新聞広告を参照。
1990年代後半より(北海道の10万人単位規模の地方都市では既に1980年代初頭から)、特に地方都市の繁華街中心部や駅前などの一等地に出店する消費者金融業者が増え、どの街に行っても大手業者の巨大な看板が占拠する事態が発生し続けている。これらによって、それぞれの街の持つ独自の景観が破壊され、画一的で没個性的な街並みがつくられる原因のひとつとなっているという批判がある。いわゆるサラ金ビルも参照されたし。
サラ金ビル(サラきんビル)とは、消費者金融の、自動契約機(無人契約機)や支店が集まる建物(雑居ビルが多い)の事を指す俗語。主要駅前などに集中している事が多い。 近年の車社会の社会情勢下で、郊外の住宅地に大型駐車場を備えた総合スーパー系などの郊外型店舗が増加している一方で、従来の都市部の主要駅前周辺の企業や商店などでは、駐車場不足、長引く不景気、高い賃貸料、後継者不足などが原因で、郊外への移転、倒産、廃業が相次ぎ「シャッター通り」の別名が付けられ衰退している厳しい現状であり、隣接する賃貸ビルでもそれまで入居していた企業や商店などの撤退が相次いでいるが、貸主としてもビル賃貸料の安定した収入が見込める観点から、消費者金融各社の自動契約機や支店をテナントとして入居させている賃貸ビルが数多く見られる。特に地方都市において、都心の一等地(中心部や駅前など)に入居する例が顕著化しており、駅前一等地が消費者金融の看板で埋め尽くされ景観が悪化する問題も発生していたが、しかし、近年の貸金業規制の強化と業界再編の影響による消費者金融各社の自動契約機や支店の撤退が相次いでいる影響で、貸主としてもそれまで消費者金融各社のテナント入居に頼っていたビル賃貸料の安定した収入が見込めなくなり打撃を受けている。 賃貸ビルを貸金業の事務所として使用する場合、貸主が貸金業の事務所として使用することを承諾した旨の書面を財務局長や都道府県知事に提出しなければならない。そのこともあって貸金業の拠点はある特定の建物に集中する傾向がある。